26年前、そして26年後も。

ローランドエメリッヒ版「GODZILLA」がアメリカで公開された頃、
アジアを中心に、第二期?いや何期か定かではありませんが、
自分でカスタマイズできるのが特徴とされる「ハイパーヨーヨーブーム」が到来していました。
そのブームの火付け役となったのは、ハワイのアラモアナショッピングセンター内にある
ハイ・パフォーマンス・カイト(競技用凧ショップ)というお店のオーナーでした。
そのお店の凧のチームがいつしかヨーヨーチームに変貌し、
アクロバティックかつトリッキーな大技でハイパーヨーヨーブームを牽引していったのです。

当時の私と言えば、幼少期にスプライトのヨーヨーで遊んだ記憶がかすかにある程度で、
なぜ、ハワイくんだりまでヨーヨーの撮影に行かなければいけないんだって捻くれた思いだったのを記憶しています。
話が前後してしまいましたが察しの通り、
ブームに乗り遅れることなかれと、ヨーヨーのPV制作の依頼を受けてハワイロケを行ったのです。
ハイ・パフォーマンス・カイトのチームに出演許諾を頂いたのは言うまでもありません。

補足すると、
撮影したものは編集して、最終的にはVHSに落とし込み、
子供むけ漫画本の付録にするという、当時ではとても画期的な取り組みでした。

もう、今から26年前の話になります。

私にとってその仕事は初の海外ロケであると共に、初のハワイ体験でもありました。
撮影コーディネーターとの事前の打ち合わせは、全てFAXでしたし、
携帯電話などまだ一般的には普及していなかった時代です。
電話で話そうものなら交換手を介しなければなりませんでした。
とにかく事前準備がとても大変だったのを記憶しております。

アラモアナホテルに泊まり、
連日のようにアラモアナショッピングセンターやアラモアナビーチ、
ワイキキビーチ、ドールプランテーションなどで
ハイ・パフォーマンス・カイトのチームを撮影しました。
撮影は大変だったけど、とても楽しい思い出として今に残っております。

そして、撮影の打ち上げでスタッフ皆で食事をしたのが
「ザ・チャート・ハウス」という老舗のレストランです。
ワイキキとアラモアナの丁度、間ぐらいに位置しており、
サンセットタイムには美しい夕空とヨットハーバーを望みながら
美味しいステーキやシーフードを楽しめるお店です。
正直、ロブスターを食べたことと自分の顔のサイズ程のパンケーキを食べたこと
ぐらいしか記憶にないのですが、
それでもこの店のクラシカルなハワイの雰囲気がたまらなく心地よく、
結果、私はハワイの虜になり、今に至ります。

そして、時は流れて26年。

いまでは、「GODZILLA」と言えば「ゴジラ-1.0」であり、
ローランドエメリッヒ版のそれなんて黒歴史です。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、
行ってきました。26年ぶりに「ザ・チャート・ハウス」に!!
サンセットの眺望を前に味わう美味しい料理!

懐かしくもあり、新鮮という感覚。
流行り廃りとは無縁の空間。

息を吸って吐くかのごとく、
古い価値観を捨て、新しい価値観を取り入れる。
しかし本質だけはブレずに残しておく。
それを忘れず、タフに生きていれば、

きっと、26年後に訪れても同じことを思うんでしょう。

追記。
50年以上の歴史を誇るこのお店もこの春から改装工事に入るとのことで、
その趣を残している前に訪れることができて良かったです。

新たな出会い

今年も早いもので12月です。
心情的にはまだ半年経ったぐらいの感覚です。

恥ずかしながら、一年が速く感じてしまう年齢になってしまったようで…。
一年は疎か、一日の長さにさえ辟易していた少年時代は遠い昔の話です。

時間(年)の経過を早く感じる
その理由を「トキメキが無くなるからだ」と言う人もいます。
確かにそうかもしれません。

観るもの、聴くもの、味わうもの、
それは何かの再来であったり焼き直してであったり…。
どこかで達観してしまっている自分がいます。
そこに生まれて初めて体感したような衝撃やトキメキなどを感じるのは、
なかなか難しいものです。

とは言え仕事に関して言うならば、
意外と今も新鮮な気持ちで向きあうことができています。

それは、「新たな人との出会い」があるから。
これに尽きると思います。

人それぞれ、考え方、センス、度量、性格などは千差万別です。
そして、何が流行りで廃りかなんて。風見鳥のごとく日ごとに風向きを変えます。
つまり仕事上において何が正解で間違いか?という問いかけは、
時と場合で180度変化するものです。
けど、そのような目まぐるしい環境を疎ましく思ってはいけなくて。
やはり他者に寄り添い、共に答えを導くことが大事なのだと思います。
そうすることで、マンネリ化することなく新鮮な気持ちで
仕事に向き合うことができるのだと私は思います。

話が回りくどくなってしまいました。
とどのつまり、今年も沢山の出会いがあり、
その全てに感謝したいということです!

お金のかけどころ

身も蓋もないタイトルで書き始めましたが、
映像をつくるには少なからずお金がかかってしまいます。

「少しでも安いコストでいいものを作りたい!」
これは当たり前の話です。もちろん正論です。

企画内容によって判断基準が変わるところではありますが、
映像制作においてケチってはいけないところ。
場合によっては、ケチっても何とかクオリティを担保できるところっていうものが存在します。

なぜ? iphoneで高画質に撮影できる時代に、わざわざ高額な業務用のカメラで撮影するのか?
なぜ? オート機能で手軽に撮影できる時代に、わざわざプロのカメラマンをたてるのか?
なぜ? オート機能でどこでも明るく撮影できる時代に、わざわざ大がかりな照明がいるのか?
なぜ? アプリでキレイにメイクアップしてくれる時代に、わざわざプロのメイクアーティストをたてるのか?
なぜ? 安価で貸衣装が利用できる時代に、わざわざプロのスタイリストをたてるのか?
なぜ? 誰でもSNSで顔出しを行っている時代に、わざわざプロのモデル事務所の演者さんをたてるのか?
なぜ? サブスクで手軽に自宅で編集できる時代に、わざわざポストプロダクションにおいて編集・MAスタジオを利用するのか?

それらの「なぜ?」には、全て理由があります。
お金をかけるのが良い訳ではないし、
お金をかけないのが良い訳でもありません。
その見極めが大事という話です。

映像の仕事でとても難しいところは正しくそれなのです。
何がムダで、何がムダでないのか?
その見極めこそがとても難しく、そして大事なのです。
それなのに、それをクライアントにきちんとお伝えしていない制作会社がとても多いように思います。
まして、Vlogoの台頭で活躍されているセミプロや自称プロの方々に至っては、
この手の判断は荷が重すぎます。

これは少し奥歯に物が挟まった物言いになるのですが、
映像制作には、未だにバブル期の悪しき名残りのごとく
「かけなくてもいいムダなコスト」というものが存在し、
それが映像制作の過程で、クライアントが見えないレイヤーに影を潜めていたりします。
またそうでなかったとしても、
業界全体に、そのような負のイメージがつきまとっているように感じます。

このようなものを払拭し、
クライアントの「なぜ?」に分かりすく明解な回答で納得をいただき、
お金をかけなくてもいいろころにはお金を一切かけず、
お金をかけるべきところにお金をかけて映像制作をする。

当たり前のことを丁寧に毎回行う。
それがクロスロードの仕事の流儀です。

仕事の効率UP

デスクワークをしているときに陰ながら活躍しているレコードプレーヤー。
LPだと片面、最大20分程度なのですが、
この間に一つ仕事を終えようという気持ちで取り組むと
仕事の効率がぐんと上がります。
エンドレスで音楽を流すのと違い、
時間配分を持って仕事に取り組めるのでおススメです。
おまけに適度に腰をあげるので、
レコードを裏返すタイミングでストレッチなどをしたりして
健康維持に努めています。

年末に向けて多忙の毎日ですが、
効率よく充分にクオリティを担保して
仕事に取り組んでいきたいと思います。

心の洗濯

10年以上も前からお世話になっているお客様と
久しぶりに会食させていただきました。
お仕事では毎年頻繁にやりとりさせて頂いているのですが、
こうした会食となると実に久しぶりで、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
お店も完全予約制の貸し切りというとても贅沢な空間でした。

そこは、向こう1年以上は予約が埋まっているという人気のお寿司屋さん、
ミシュラン2つ星の「鮨旬美西川」。
そのネタの一品一品は、「美味しい」という言葉では
とても言い表せない極上極まる料理で、感動しっぱなしでした

しばらく忘れていました。
「極上の空間で、美味しいものを、親しき方と楽しい会話を交わしながら食す」
ことの素晴らしさを。

このような機会をセッティングしていただき、
御馳走にまでなってしまいまして、本当に感謝です!

しかし、私が今まで食べていたお寿司とは何だったんでしょうか…(苦笑)

大事なのは答えへの導き方

映像制作において、完成した作品とは一つの答えです。
そして、その答えが正解なのか否か?が、すぐには分からないところにこの仕事の難しさがあります。
ただ「何が間違いなのか?」は、経験値から何となく分かるときがあります。
言い換えるならば、間違いを回避することが、正解へ導く唯一の鍵だと言えます。

何をしたらいけなくて、何をしたら最適なのか?
ここに時間と労力をかけることが必須なのです。

逆算思考に基づき、(ゴールという)正解の答えをイメージし、そこから逆算してプロセスを考える。
つまり映像制作において大事なのは、正解だと思われる答えに導くための方式を作り上げ、
それをクライアントに理解していただき、その上でその答えを解いてみせるということです。

ここでいう方式とは、企画立案とコンセプトの構築です。
残念なことに、昨今、これを疎かにしている映像が多いことに気づかされます。

派手な映像エフェクトなど、小手先の手法にばかり目を捕われ、
本当に伝えたいであろう主旨は、全く定まっていない映像作品がとても多いように思うのです。

この類の作品を見極める方法は至って簡単で、該当する企業や商品の固有名詞を変えれば、
どんな作品にでも豹変してしまうということです。
低コストという呪縛から効率化ばかりを重んじて、同じテンプレートで作られているのだから、
とどのつまり作品が同じ顔をしていて当たり前です。

こういった映像手法が”間違った答え” を導くのだと言いたい訳ではありません。
(※事実、こういう映像で事足りる場合も往々にしてあります。)

しかし、企画構築が蔑ろの上に出来上がった作品は、
すぐに風に流されて、後には何も残らないと言えるのではないでしょうか?
それは、とても勿体ないことです。

映像制作は、家を建てるのと少し似ていて、
土台や骨格がしっかり形成された基盤の上に
整合性のとれたデザインが成されるから、
価値のある家ができるのです。

映像制作においても、本当に価値ある作品を作るには、
企画構築という確固たる土台と骨格を形成する必要があるのです。

洗練されたデザイン。でも住んでみたら欠陥住宅でした…。
ではシャレになりません。

クライアントと膝を合わせ、
枠に囚われない自由な発想でオンリーワンの企画構築を行い、納得のいく答えを出す!
これこそが、クロスロードが得意とする映像制作の方法です。

DVD

DVDが世に出たての頃は、その画質の良さに感嘆したものです。

何せ比較対照がVHSもしくはLDだったわけですから。

ところが今や、

DVDで納品するときには、予め予防線を張ってしまうときがあります。

「DVD画質ですからね!」

勿論「きれいですよ。」という意味ではなく、その逆を指してのことである。

お客様は撮影から編集作業の過程において、とてもクリアな画質で作品を観ているので、

最後に納品されたDVDの映像を観た時のショックは、大凡予測はできたりします。

最近では、6K(横約6000ピクセル×縦3000ピクセル:約1900万画素数)で撮影して、

DVD(720ピクセル×480ピクセル:約35万画素数)にするケースも多くなりました。

当然のごとく画質劣化は避けられないし、DVDに分が悪いのは否めない。

じゃあブルーレイで納品!ってことになるのだけど、

いまいちパソコンでのブルーレイ環境の普及率が高くないのか?需要が少ないのが現状です。

※ちなみに小生、4Kウルトラブルーレイで映画を観る機会が多くなったからか、

ブルーレイの映像ですら粗く感じることがあります。(ホント慣れってこわいですね…。)

最近では、高解像度のデータ納品が主流の中、(形式上)モノとしての納品物が必要なので、

「汚くてもいいのでとりあえずDVDもください」というケースも…。

散々な扱いのDVDである、

とは言え、汎用性の高いとDVDとは今後もうまいこと付き合っていかなくてはならなくて、

映像劣化が少ないDVDをつくるにはどうしたらいいか?と、かなり試行錯誤した過去があります。

そうして編み出したDVDの作り方がありまして、

よく「DVDの映像にしては割とマシだね!」という

誉め言葉なのか?貶されているのか?よく分からない言葉を承ります(笑)

前置きがだいぶ長くなりました。

という訳で、本日めでたく完成した作品をDVDで納品させていただきました。

まあ、割とマシなDVDというやつです。(笑) ※勿論データ納品もしました~。

3月は納品ラッシュでしたが、スケジュール管理がパズルのピースようにはまり、

全ての映像作品を無事納めることができました。

また機会がありましたら、ここで紹介させていただきます。
 

 

 

 

 

カットシート

コンテと言っても種類があって、まず最初に作るのは企画コンテ。
けっこういい加減というか、伝える箇所を誇張して描くことが多い。
あまりにいい加減に考えて、予算とか撮影方法とか深く考えず、
数合わせ的に作った企画コンテに決まってしまったとき、青ざめるなんてことは往々にしてある。

決定した企画コンテをベースに
具体的に演出意図や秒数を記したものが演出コンテ。

手前味噌ながら、絵を描くのが得意なので、
演出コンテを描く際は気合が入る。
とは言え、とても大変な作業である。

絵というものは、単に書き込めばいいというものでもないし、
いかに端的に演出の意図を伝えるかが大事だからだ。
そして、予算や撮影時間という現実的なものと向き合って描かなければならないので、
とてもとても神経を使う作業である。
そして、この演出コンテで作品の良し悪しはおおよそ決まる。

大概はこの演出コンテを持ってMAに臨むことが多いのだけど、
言語の異なるバージョンを作るとき、
或いは長編のPVとか、タイプ数の多い映像コンテンツを作るとき、
はたまた広告代理店のクリエイティブのパフォーマンスの一環で、
MA用にカットシートというものを作る。

すでに出来上がっている映像を1コマ1コマ静止画にして書き出して、
絵コンテに貼りつける。ト書きなどは削除して、
ナレーションやBGMの指示など、
音に関する項目に紙面をさくのがカットシートの特徴である。

確かにカットシートがあるとMA時はとても便利である。
ただカットシートを作るのは地味にとても大変でもある。

すごく忙しいとき、カットシートを作るのやめようかな?って思うときも正直ある。
別になくてもMAは進行できるさ!と、悪魔が耳元囁くことがある。

ただ、どれだけ忙しくてもやはり手は抜けない。
いや、忙しいときこそ手は抜けない。

ということで30Pに及ぶ完璧のカットシートを
作りました!という自慢話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

没頭

とかく忙しい。
起きてすぐ仕事、食べてすぐ仕事、そして寝て…の毎日。
仕事に没頭できるのはいいことだ。
夢中になれたら最高なんだろうけど。贅沢は言うまい。

旅行に行きたい。
美味しいもの食べにいきたい。
映画やライブ観にいきたい。
なんて一切思わない。

不謹慎かもしればいけれど、
こういう気持ちにさせないで、仕事に一心不乱に打ち込めるのは、
コロナ禍の数少ない恩恵の一つかもしれない。

コロナだろうがなんだろうが、
利用しない手はない。

最近の仕事以外の楽しみといえば、
犬と遊ぶことと、ネットショッピング。
後はNetFlix
この3つがあれば
はっきり言って何とかなる。

さてと、今日はこの辺で仕事を終わらすか。

AI

AIが勝手に撮影し、
AIが勝手に台本を執筆してくれて、
AIが勝手にフォトショップ加工してくれて、
AIが勝手に映像編集してくれる。

確かにいい時代になりました。
そして実際問題、とても便利だと思います。

でもこの手のものは、適材適所に利用するに限ります。
流行りにのっかったら、個性もふっ飛んでしまって、
とどのつまり、皆同じ格好、同じ顔になってました。
なんてありがちですからね。

AIが「ビートルズ」をイメージして、勝手に作曲してしまう時代。
まあシャレのつもりなんだろうけど。悪い冗談でしかありません。
こんなの有り難がる人いるんでしょうか?

便利だから、もの珍しいから、最新テクノロジーだから、
それで「観る人の心が動く」のなら、
皮肉でもなく、喜んで飛びつきます!

さてと・・・うだうだ言っても始まらないので、
私なりに仕事をしよう思います。

悩み、考え、また悩み、相談したり、リサーチしたり、
雑巾を絞るかのごとく知恵を絞り出し、ようやくカタチにしてみせて、
それから修正して、またブラシュアップして、etc・・・

こうした紆余曲折を得て、ようやく辿り着くことのできる境地があります。
それこそがオリジナリティなのだと、私は思います。

 

 

 

 

 


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