カットシート
コンテと言っても種類があって、まず最初に作るのは企画コンテ。
けっこういい加減というか、伝える箇所を誇張して描くことが多い。
あまりにいい加減に考えて、予算とか撮影方法とか深く考えず、
数合わせ的に作った企画コンテに決まってしまったとき、青ざめるなんてことは往々にしてある。
決定した企画コンテをベースに
具体的に演出意図や秒数を記したものが演出コンテ。
手前味噌ながら、絵を描くのが得意なので、
演出コンテを描く際は気合が入る。
とは言え、とても大変な作業である。
絵というものは、単に書き込めばいいというものでもないし、
いかに端的に演出の意図を伝えるかが大事だからだ。
そして、予算や撮影時間という現実的なものと向き合って描かなければならないので、
とてもとても神経を使う作業である。
そして、この演出コンテで作品の良し悪しはおおよそ決まる。
大概はこの演出コンテを持ってMAに臨むことが多いのだけど、
言語の異なるバージョンを作るとき、
或いは長編のPVとか、タイプ数の多い映像コンテンツを作るとき、
はたまた広告代理店のクリエイティブのパフォーマンスの一環で、
MA用にカットシートというものを作る。
すでに出来上がっている映像を1コマ1コマ静止画にして書き出して、
絵コンテに貼りつける。ト書きなどは削除して、
ナレーションやBGMの指示など、
音に関する項目に紙面をさくのがカットシートの特徴である。
確かにカットシートがあるとMA時はとても便利である。
ただカットシートを作るのは地味にとても大変でもある。
すごく忙しいとき、カットシートを作るのやめようかな?って思うときも正直ある。
別になくてもMAは進行できるさ!と、悪魔が耳元囁くことがある。
ただ、どれだけ忙しくてもやはり手は抜けない。
いや、忙しいときこそ手は抜けない。
ということで30Pに及ぶ完璧のカットシートを
作りました!という自慢話でした。