お金のかけどころ
身も蓋もないタイトルで書き始めましたが、
映像をつくるには少なからずお金がかかってしまいます。
「少しでも安いコストでいいものを作りたい!」
これは当たり前の話です。もちろん正論です。
企画内容によって判断基準が変わるところではありますが、
映像制作においてケチってはいけないところ。
場合によっては、ケチっても何とかクオリティを担保できるところっていうものが存在します。
なぜ? iphoneで高画質に撮影できる時代に、わざわざ高額な業務用のカメラで撮影するのか?
なぜ? オート機能で手軽に撮影できる時代に、わざわざプロのカメラマンをたてるのか?
なぜ? オート機能でどこでも明るく撮影できる時代に、わざわざ大がかりな照明がいるのか?
なぜ? アプリでキレイにメイクアップしてくれる時代に、わざわざプロのメイクアーティストをたてるのか?
なぜ? 安価で貸衣装が利用できる時代に、わざわざプロのスタイリストをたてるのか?
なぜ? 誰でもSNSで顔出しを行っている時代に、わざわざプロのモデル事務所の演者さんをたてるのか?
なぜ? サブスクで手軽に自宅で編集できる時代に、わざわざポストプロダクションにおいて編集・MAスタジオを利用するのか?
それらの「なぜ?」には、全て理由があります。
お金をかけるのが良い訳ではないし、
お金をかけないのが良い訳でもありません。
その見極めが大事という話です。
映像の仕事でとても難しいところは正しくそれなのです。
何がムダで、何がムダでないのか?
その見極めこそがとても難しく、そして大事なのです。
それなのに、それをクライアントにきちんとお伝えしていない制作会社がとても多いように思います。
まして、Vlogoの台頭で活躍されているセミプロや自称プロの方々に至っては、
この手の判断は荷が重すぎます。
これは少し奥歯に物が挟まった物言いになるのですが、
映像制作には、未だにバブル期の悪しき名残りのごとく
「かけなくてもいいムダなコスト」というものが存在し、
それが映像制作の過程で、クライアントが見えないレイヤーに影を潜めていたりします。
またそうでなかったとしても、
業界全体に、そのような負のイメージがつきまとっているように感じます。
このようなものを払拭し、
クライアントの「なぜ?」に分かりすく明解な回答で納得をいただき、
お金をかけなくてもいいろころにはお金を一切かけず、
お金をかけるべきところにお金をかけて映像制作をする。
当たり前のことを丁寧に毎回行う。
それがクロスロードの仕事の流儀です。